恋する乙女は料理をする
これね、私、ラジオで昔、主人がね、デートのときに、腕時計をぱっと外すのよ、食事のときに。
ハンカチの上に置いて、それがもう、とっても幸せだった。
私の前では腕時計を外してくれてる。
すなわち、ネクタイを緩めてくれてるのと同じだなと思って、ああっと、胸がきゅんとなったのっていう話を、ラジオでやったの。
聞いてたんやな。
聞いてたんや。
次、うどん屋行ったの。
うどん屋やで、今。
今うどん屋かそば屋や。
行ったら、うーん、あのね、それはフレンチとかイタリアンとか、懐石とか、ええとこ行ったときやんか。
2時間、3時間かかる、そんなもん、そば屋7分で終わる。
それをそんな外して、ふふふんと言ったから、忘れるからしときって。
難しいですよ。
そないなんねん。
悪いけど。
男の人って無邪気なんですよ。
あっ、これが恵美子好きって、ラジオで言ってたな。
やってみようと思うんですよ。
ほんまに。
おかしいてしゃあないわ。
よけい嫌になったわ。
結婚式。
お色直しのドレスが…。
私ね、本当にね、500万ぐらいのイブニング作ったんですね。
結婚式のときに。
お色直し。
一番最後、何千本っていうステッチ入れて。
二度と着れなかった。
なぜか。
なんで?
太った。
片足しか入れへん。
こんな細かったの。
ちょっとなんか、いろいろ苦労して、22歳でしたしね。
二度と着れない。
恋する乙女は料理をする。
恋をしてる女は、料理を作りたくなるんです。
あっ、そうなの。
あのね、時代が違うけど、私たちのときはね、古いから、やっぱりカレーライスとか。
男の人って、カレー好きかなって、もうお母さんと一緒に住んでて、お母さんが東京のお姉さんとこ遊びに行っていなくなった。
それを見計らって、食材を買いに。
ジャガイモ、タマネギ、ニンジン、そして、牛肉の薄切り、バーモントカレー、中辛。
あれが一番幸せだったわ。
確かに。
結婚前のカレーの味っていうか、台所に立つ姿って違うんだって。
なんか、うれしそうに待ってるのね、そこで。
するとあれかな、裸でエプロンなんか。
そうそう、全裸でエプロン。
プレーが。
そのとき、スタイルよかったからね、だから全裸で、違うって。
やらないよ!もう、ジャガイモ硬かったの、すごく覚えてる。
失敗したの。
そういうの覚えてるんだね。
泣きじゃくったんですよ。
かわいいな。
まだ20歳ですから、今言うと、気色悪いでしょうけど、20歳と思ってください。
20歳の女が、初めて食事を作った。
作ったことないのに。
そのジャガイモが、大きすぎたのかな、硬かった。
食べたときに、かたっと思って、主人の反応見たら、ばくばく、がりがり食べてた。
何も言わずがりがりと。
硬かったですか?
って言ったら、そしたら、全然硬くないよって言って。
もうそれに、号泣ですよ。
まあ、今は号泣しないでくださいね。
よろしくお願いします。
今はしませんよ。
ちょっと硬いな言うたら、ちゃっちゃと食べはよ。
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